ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)
まぶたにある汗や皮脂を出す腺が細菌感染して急性の化膿性炎症が起こっている状態です。ほとんどの場合は黄色ブドウ球菌の感染によるもので、他の人に感染することはありません。気になって何度も触れてしまって悪化や再発を繰り返すことがよくあります。
治療では黄色ブドウ球菌に効果の高い抗菌点眼薬、抗菌眼軟膏を用いた治療を基本に行い、抗菌内服薬を使うこともあります。化膿がひどい場合には切開して膿を排出させることもあります。患部に触れると悪化や再発を起こしやすいので注意が必要です。
眼瞼痙攣
目の周囲にある筋肉が痙攣し、意思と関係なくピクピク細かく動いてしまう状態です。また、まばたきを大きく頻回にするという現象が起こる場合もあります。痙攣が長く続く、頻度が多い、広範囲に起こる、気になってしまうなどの場合には受診をおすすめします。
眼瞼下垂
まぶたが下がって、目を開けている時も瞳孔にまぶたが一部かぶさっている状態です。まぶたを開ける役割を持った眼瞼挙筋という筋肉の働きが弱い、あるいは眼瞼挙筋を支える腱膜が伸びてしまって発症します。「いつも眠そう」「目つきが悪い」イメージやよく見るために目を無意識に見開く癖がついて額や眉間のシワが深くなることに悩まれている方が多いのですが、視界が狭くなるため思わぬ危険に巻き込まれる可能性もあります。
先天的なものと加齢や外傷、ハードコンタクトレンズを長年使用していたことなどによって起こる後天性のものがあります。
先天性眼瞼下垂は生まれつき眼瞼挙筋や神経の発達異常があって起こっています。片目だけに起こることがほとんどですが、両目に現れる場合もあります。弱視や斜視につながる可能性があることから適切な治療を受けないと視力が成長しない可能性もあります。
後天性眼瞼下垂には急激に下がってくるケースと、徐々にまぶたが垂れてくるケースがあります。眼瞼挙筋自体に問題がなく、その末端にある腱膜が伸びてしまって発症することが多くなっています。
眼瞼内反(逆さまつげ)
まつげが内側に向かって生えてしまう状態です。抜いても再び同じ向きに生えてくるケースが多く、角膜や結膜にまつげが当たって感染症や視力障害のリスクがあります。それまでは問題なかったのに、ある時期からまつげが内側を向くようになった場合、まぶたを支える筋肉の衰えなどが原因になっていることがあります。この筋肉がゆるんでしまうとまつげが生える方向が不揃いになり眼瞼内反を発症しやすくなります。